1934年日米野球 開催地 2戦目 1934年 11月5日 明治神宮野球場

第2戦試合開始前の日本軍のウォーミングアップの画像

スコア

第2戦は1934年11月5日、会場は初戦と同じく明治神宮野球場で行われた。

全日本軍全米軍
牧野マクネア
苅田ゲリンジャー
三原ルース
堀尾ゲーリッグ
杉田屋フォックス
山下エヴィレル
矢島ミラー
夫馬ヘーズ
伊達キャスカレラ
両軍先発メンバー

球場周辺は午前7時には球場周辺はファンで埋め尽くされており、開場予定は午前10時からだったが午前8時に急遽時間を早めた。
スタジアムの観客の大歓声に包まれながら両軍の選手入場、アメリカ軍のフリーバッティングではルースがスコアボード付近に叩き込む豪快なホームランを打ち込み観客を沸かせた。そして直前に流れるようなシートノックが終わり、試合が開始された。

試合結果は全米軍 5 – 1 全日本軍と全日本軍は負けた。しかしこの試合は見どころが二つあった。

一つは全米軍の本塁打攻勢だ。初戦では一つの本塁打も出ずファンを落胆させた全米打線もこの日はマシンガンの様に火を噴いた。

2回にゲーリッグが四球で出塁すると、続く5番ジミー・フォックスがインハイの緩い直球を思い切り引っ張りレフトスタンドにツーラン、この日米野球初の本塁打を記録。興奮冷めやらぬ間に6番のアール・アベリル(Earl Averill ,当時の新聞ではエヴィレル)がフルカウントからこちらも内角のストライクボールを今度はセンターの観覧席に特大の本塁打で観客からは拍手喝采。

3回の先頭打者はベーブ・ルース。3球目の高めのボールを振りぬきライトスタンドへ…と思われたが日本の右翼手矢島粂安が塀際でしっかりつかみファインプレー。ルースの初本塁打こそ見れなかったが日本の好プレーが光った。日本の好プレーに沸くスタジアムの中、続くルー・ゲーリッグのボールカウント0-2からの三球目、インコース真ん中の直球をひっぱたきライトスタンドに本塁打を放った。

少しでも点を返したい全日本は4回に堀尾が四球で出塁すると、打者山下実にキャスカレラが暴投し二進したあとさらに捕手のヘーズが二塁に暴投し一気に三進しチャンスメイク。山下はこの打席センターに飛距離充分のフライを打ち上げると犠牲フライで三塁走者の堀尾が生還。なんとか1点を返した。

そして7回にアメリカの先頭打者、アール・アベリルがインハイの直球を引っ張りこんでライトスタンドにこの試合2本目の本塁打。アメリカ軍はこの日4本の本塁打のみで得点を重ね、メジャーリーグの実力を見せつけた。

結果5対1とアメリカの快勝。キャスカレラは9回を完投しこの日米野球1勝目を挙げた。

見どころの二つ目はこの試合気を吐いた先発投手の伊達正男だ。7回を被安打10 四球5 と見栄えのいい成績ではないが、実績抜群のメジャーリーグ打線にイニングを稼ぐ投球。さらに5回と8回の打席で共に安打を記録するなど、投打にわたってチーム1の働きを見せた。

河野安通志はこの試合を振り返り、「此度東京での第3回線にもう一度オール日本と戦うのであろうが投手が伊達級のものであり守備に大した失策が無ければ必ず今日見合う試合が再びみられるであろう…」とチーム内でも伊達を第一級として称賛した。先述の文章にもある通り、日本は失点につながる失策が無かったこともありその守備力をコニー・マック監督も称賛した。

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